不正な咬み合わせの状態によっては、早い時期(乳歯が生えている4歳位から、乳歯と永久歯が交ざって生えてくる9歳位までの間)から治療を始める場合があります。特に、反対の咬み合わせや、あごの骨の成長を考慮しなければいけない場合、指しゃぶり等が見られる場合などがあげられます。この治療は第一期治療と呼ばれ、永久歯が生えそろった12歳位から始める矯正治療(第二期治療)をスムーズに進めるために大切な治療です。
少しでもお子様の歯並びに不安をお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。
歯並びがガタガタしている場合
乳歯列のときはきれいな歯並びだったのに、永久歯が生えてきたらガタガタになってきた・・・、というお子さんは多いと思います。永久歯は乳歯よりも歯の幅が大きいため、お子さんの顎の大きさが小さい場合、うまく並びきらないことがあります。
第一期治療では、永久歯の生えるスペースを作るために奥歯を後ろへ動かす治療や、場合によっては一部分だけ歯並びを整える治療などを行うことがあります。ただし、あまりにも永久歯の生えるスペースが足りないと判断された場合は、すべての歯が永久歯に変わるまで経過を観察し、永久歯の一部を抜歯することでスペースを作り、歯並びを整える第二期治療から始める場合もあります。
お子さんごとで治療の内容や開始のタイミングは異なります。歯並びの不正に気づいた時点での早めの受診をお勧めします。
前歯の咬み合わせが反対になっている場合
反対になった咬み合わせはそのまま様子を見ても自然に改善されることはほとんどありません。反対の咬み合わせの原因は、単に前歯の生えている傾きに問題がある場合や、顎の骨の前後的な位置関係に問題がある、またはその両方が考えられます。
特に顎の骨の位置関係に問題がある場合は、お子さんの成長発育の度合いによっては現状よりもさらに悪化することも考えられます。
第一期治療では、出来るだけ早期に前歯の咬み合わせの改善を行うと同時に、成長発育を利用しながら顎の骨格的な位置関係の不正を出来るだけ改善する治療を行うのが一般的です。反対の咬み合わせの治療は他の不正な咬み合わせよりも治療の期間が長期にわたることが多いですが、不正な咬み合せに気づいた時点での早期の受診をお勧めいたします。
上の前歯が出ている場合
上の前歯が下の前歯より外側にあるため、前歯でものを咬むのが難しいのではないでしょうか。また、自然に口を閉じるのが難しく、口を開けていることが多いかもしれません。過度に前歯が出ている場合は、何かにぶつかった拍子に前歯が折れてしまう事故も起こっています。
前歯の傾きが原因でこのような状態になっている場合もありますが、上下の顎の位置関係が影響している場合も少なくありません。このような場合は、第一期治療で成長発育を利用しながら顎の骨格的な位置関係の不正を出来るだけ改善する治療を行うのが一般的です。
むし歯で乳歯を抜き、そのままにしている場合
むし歯で乳歯を抜歯した場合、長期間すき間を開けたままにしておくことは問題があります。開いたすき間に向かって奥歯が前へ移動してくるため、下から生えてくる永久歯のスペースが小さくなってしまい、歯並びに影響を及ぼします。
乳歯をやむを得ず抜歯した場合は、スペースを維持するための装置を装着したほうが好ましいといえます。一般歯科の先生はここまでフォローされない場合がありますので、ご不安がある場合はぜひご相談ください。